素材ごとの特徴
靴下に関しては素材を気にしない方が多いかと思います。
洋服に関しては夏は綿・麻、冬はアクリル・ウールなど、なんとなく涼しそう!あったかそう!というように選んで買っていることも多いかと思いますが靴下は柄がいい!薄い、分厚い、丈夫そう、という風に素材はないがしろにされがち。
しかし、靴下を知れば知るほど、素材から選ぶことも重要だと感じます。
コットン(綿)について
みなさんが着ているTシャツや毎日使うタオルなど衣料用繊維の約4割を占めている綿
最大の衣料原料として重要視され続けています。
とても細かい繊維で出来ているので吸水性が高く、熱も奪う為涼しく感じます。
通気性もよいので夏にはぴったりの素材です。
しかし、綿は夏に涼しく着られるだけでなく、実は保温性にも優れているのです。
熱が伝わりにくく放出されにくい特徴を持っています。
なので1年間どの季節でも対応できる素材です。
コットン(綿)のいいところ
・水やアルカリに強い
・肌触りが良い
・涼しい
・色に染めやすい
・保温性がある
コットン(綿)の弱点
・酸に弱い
・縮みやすい
・毛羽立ちやすい
コットン(綿)の種類
長繊維綿
エジプト綿、アメリカエジプシャン綿、シーアイランド綿、ペルー綿
・シーアイランド綿は、世界最良の綿花。柔らかくて細い糸です。長さは長くて光沢があるキレイな糸です。
・エジプト綿は、シーアイランド綿に次ぐ良品と言われています。細くて長いのに強度があります。光沢もありキレイな糸です。
原産綿
アップランド綿
・綿生産量の90%を占めるほど、ほとんどの衣料品で使用されています。
短繊維綿
インド綿、パキスタン綿
・パキスタン綿は、毛の長さは短く日本では主に衛生用として輸入されています。
オーガニックコットン
オーガニック農産物の生産方法についての基準に従って育てられた綿花のこと。
化学肥料や農薬を使用しないだけではオーガニックとは言えません。
必要条件として、過去2〜3年以上の有機栽培が必要になります。
肌に優しく、自然にも優しいのが特徴。肌に直接触れるナプキンやおむつ、パジャマなどに使われていることが多いです。
しかし、世界的に見てオーガニックコットンの占める割合はたったの1%ほどです。
茶綿
茶色の綿で、綿の原種とも言われています。
栽培するのが大変で、普通の綿よりも収穫量が少ないようです。
陽射しが強いところで育つ為、紫外線をカットするUV効果があると言われています。
茶綿には、キャメル色と緑がかったものと2種類あり染料で染め出したものと違い、自然のままの色です。

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麻・リネンについて
夏物衣料の定番アイテムとして慕われてきた麻・リネン。
最近では、シャツ以外にもサマーセーターやカーディガン、カットソーなどにも麻製品が登場してきました。
天然、優しい自然な感じがするということで、この素材を積極的に活用するブランドもあります。
植物由来であることをより色濃く残すこともできる為、ナチュラルな風合い好むを層に人気があります。
種類
20種類以上ありますが、代表的なのが下の2種類になります。
・ラミー
・リネン
※ロープ用はマニラ麻、サイザル麻、大麻麻があります。
ラミー麻
衣料用に使用される天然繊維の中で最も長い種類で、太さも太い為繊維の強度が強いです。
リネン
長さは短く、太さは細い。風合い的にも綿と似ています。
良いところ
・吸水性が良い
・涼感がある
・光沢があり触った感触がシャリシャリしている
・強度があり、水に濡れても大丈夫
弱点
・元の形に戻ろうとする力が弱い為シワになりやすい
・毛羽立ちやすい
・カビやすい

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絹について
今から約4500年前に絹糸は発見されたと言われています。
織物にして輸出する為に7000kmの道が造られました。これが、シルクロードです。
ブラウスやシャツ、セーター、着物など高級衣料品に使用されている絹。
蚕の吐き出したタンパク質で出来た天然素材です。
蚕はおよそ60時間くらいかけて繭玉をつくります。
繭玉は、蚕が成虫に変身する為の防護壁。(シェルター)
湿度や紫外線から守る為にできており、銅鉄と同じ強さと弾力性をもっています。
種類
生糸(きいと):機械や人の手で繭から直接糸をひいて作った糸。
紬糸(つむぎいと):繭を線状に平らにのばした物を手で紡いで作る糸。
絹紡糸(けんぼうし):繭くずなどを用いた糸。
特徴
・繊維が細い
・18種類のアミノ酸でできている
・タンパク質でできている
良いところ
・美しい光沢
・肌触りが良い
・夏は涼しく、冬は暖かい
・素肌に優しい
・静電気が起こりにくい
・保湿性、吸水性、通気性に優れている
・やわらかい
・重量が軽い
弱点
・太陽光に弱いので紫外線で変色する
・シミができやすい
・摩擦に弱い
・耐久性、対候性に欠ける
・熱に弱い
・黄ばみやすい
・虫に食われやすい
・水分に弱い
・熱伝導率が低い
洗濯方法
個別に手洗いし、髪を洗うように手入れするのが基本です。
熱に弱い為、水かぬるま湯で洗います。
化学物質を嫌う素材で、柔軟剤や漂白剤も使うことができません。
乾燥機は使えず日光にも弱い為、陰干しで乾燥させます。
天然繊維の中では耐熱温度がもっとも低い為、アイロンをする場合当て布が必要となり低温で湿った状態で行う必要があります。

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ウールについて
羊毛の繊維はタンパク質の細胞からできていて、表面はうろこ状をなして重なり合っています。
しかもウロコは規則正しく一定の方向を向いています。このウロコが絡み合うことにより、糸にしたり、フェルトにしたりすることができます。
ニードルフェルト手芸なんかもこの原理を利用していますね。
また、羊毛の繊維にはちぢれがあり、その隙間に空気の層ができるために羊毛繊維は暖かいとされています。
さらに、この羊毛は水は弾くが湿気を吸収するという性質をもっています。
よく、登山靴下にウールが使用されているのは、水にぬれにくく、汗などの湿気を適度に吸ってくれる、しかもあったかい。という、とっても理にかなった物なのです。
ウールの弱点
1.アルカリに弱い
アルカリ性の強い洗剤で洗うと、キュッと縮んだりしてしまいます。オシャレ着洗い用洗剤などの中性洗剤を使って洗濯してください。
2.虫さんの大好物
寒い季節が終わって衣替えのときは、ウールセーターと同じように防虫剤を入れて保管しないと食べられて穴が開いてしまいます。
3.摩擦に弱い
経験がある人もおおいかもしれませんが、こすれると毛玉になって段々生地が薄くなってしまいます。当店の靴下は、素材にウールの割合の高いものに関してはつま先とかかとに補強糸といって、摩擦に強い丈夫な糸を編みこんでいます。

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