靴下の歴史
くつ下の歴史は古く、古代ヨーロッパの北部では足に布や革、毛皮やワラを纏って寒さから足を守る工夫がされていました。
また、紀元前2〜3世紀のアラビアの遊牧民が砂や小石、高温の岩場から足を守るためにくつ下の文化の原型をつくったと考えられています。
実際に残っている記録の中では西暦100年ごろのイギリスで見つかった板に書かれたラテン語でローマにいた家族にあてた手紙として、くつ下のことが記されています。
日本の靴下の生産は明治初期、東京築地の貿易商人であった西村勝三が靴下の手回し編み機を導入して編み始めたのが最初といわれています。
その後、「殖産興業」「富国強兵」の政策の波に乗り、軍需品としての生産が盛んとなります。
SOUKIのある奈良県の広陵町では明治の末頃、吉井泰治郎が手回し編み機を購入し、工場を作って靴下を編み始めたのが始まりです。
もともと農家の副業で始まり、広がっていった靴下産業でしたが、その後靴下生産量全国一の産地となりました。
靴下の作り方
世の中の生地は大きく分けて3種類あります。
ひとつは織物(おりもの)、そして編物(あみもの)、もう一つが不織布(フエルト等)です。
織物はジーンズや帆布などような、たて糸とよこ糸を組み合わせて作る布。
繊維自体に伸縮性がある場合以外は、ほとんど伸び縮みしない生地になります。
編物はセーターをイメージする方も多いと思いますが、糸でループを作りながら、編んでいくことで生地を作ります。だから編物には生地自体に伸縮性があります。同じようにTシャツなども編物の生地を裁断し縫製したもので、若干の伸縮性があります。
くつ下は基本的には全て「編物」です。
靴下の場合は一般的にはき口からつま先方向に向かって、らせん状に編まれています。これにより伸縮性が生まれ、よく動く足にフィットするくつ下になるのです。
ただ、いくら伸縮性のある生地とはいえ、限度があります。コットンやウールなどの表糸だけでも靴下を編むことはできますがフィット感が少なく耐久性も弱くなります。
くつ下はコットンやウールなどの表糸にナイロン、ポリウレタンといった裏糸を一緒に編み込みます。
また、はき口には伸縮性のあるウーリーナイロンのゴムを入れて適度なフィット感をもたせ、ずり落ちるのを防ぎます。